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日本画 福永明子
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鏡板① 製作 2017.10.15〜12.30

この度めでたく、10月半ばより年末まで京都滞在製作をした鏡板の能舞台、真謡会館の舞台披きが3/16,18に行われました。
やっと皆様に全容をご覧頂ける時がやってまいりました!
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観世流能楽師の分林道治さんのお建物、地上4階地下1階のステキな建築の地下に、能楽堂が作られました。
2年を要した大工事の、私は2ヶ月半という短い期間でしたが、本当に素晴らしい体験ができたと思います。

長くなりますが、私の悲喜交々の製作記録です。

夏より下図作成に取り掛かり、PCでデータを作り、分林先生とメールで何回も図案を練り直し、それを1/4サイズの模造紙にアクリル絵の具で描きました。
全体のバランス、松の株の配置や数(七五三)、幹のゴツゴツした感じ、霞の金など、分林先生のご意向に沿って作画しました。特に松の青と株ごとの濃淡が特徴的です。
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160枚の拡大コピーを繋ぎ合わせ、雨降り続きの10月半ば、京都入りしました。
地下の工事が遅れていたこともあり、現場監督さんが手付かずの4階のフロアに製作場所を設けて下さいました。
画面は、杉板を襖状にしたもの五枚、2.9m×5.4m。
大工さんが繋ぎ合わせて、土台までチャチャっと作ってくれました。

持参した下絵コピーを実際板に置いてみると、あら~っ寸法合わない!

大きすぎ&小さすぎで、堀川のセブンイレブンのコピー機を長時間占有すること2回。貼り合わせ作業でかなりの時間をロスしましたが、納得いくまでやります。
滲み止めのドーサを3回塗って、いざ転写です。
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輪郭線の裏を濃い鉛筆で塗って、上からなぞって転写したら、墨でコツ描きです。
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着色部分にさらにドーサ引きを2回して、いざ着彩。
下塗りに普段なら水干を使いますが、今回はなるべく天然岩絵の具にしました。
日本画材の放光堂さんには沢山アドバイスを頂き、本当にありがたかったです。
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こうなる前に、実は一度全部の下塗りを洗いました。
紙と違って、木がドーサ液を吸ってしまい定着が弱く、指で擦ると絵の具(特に緑土)が動く。これでは後々、土台から剥落してしまう。
というわけで泣く泣く刷毛と布で彩色を洗い、濃いドーサ引きからやり直し!
今度は入念に。下地の絵の具を溶くときにも膠にドーサを混ぜてガッチリ定着。

そしていよいよ、恩師の畠中先生から譲って頂いた極上天然緑青。ドキドキ!
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焼緑青もマンションのキッチンで焼いて作っちゃいました。猛毒注意!
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そして、今まで高すぎて買ったこともない極上の群青。
先生特製の群青を特別価格で譲ってもらいました。
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岩絵の具を何度も薄く塗り重ね、ここまで早1ヶ月。
予定では描き上がってるはずだったけど、まだ竹もあるんだよねー。。

金砂子を撒く霞の場所にしつこくドーサ引きをしつつ、ここから松葉の一本一本の描き込みです。必死すぎて写真撮る暇なし!
私を含め大工さんも監督も休みなんてありません。毎日遅くまで頑張りました。
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松葉と金砂子に11日間を要し、11/28に老松完成!
翌々日、5枚の板をエアーで二重梱包し、監督お二人と大工さん総出で4階から地下まで階段で!運んで下さいました。ありがとうございます~!
わ~工事現場がいきなり能舞台になったね!で記念撮影。
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今度は地下で竹の絵の製作です。
腰を痛めてしまった私のため、椅子に座って作業できるように机を作って下さり、木屑が入らないよう能舞台の周りをグルッと養生ビニールで覆って下さって、すっかり能舞台が広い私専用アトリエになりました。
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竹の下絵コピー貼り合わせや転写などの作業を、滋賀県在住でお能ファンのRさんが何度もお手伝いに来て下さり、本当に助かりました。ありがとうございます!

竹の絵は当初、建てつけた壁に描く予定だったのですが、やはり岩絵の具を使うには水平でないと描けないため、監督と大工さんにお願いして、描いてからはめてもらえることになりました。

下塗りの段階で、畠中先生が現場を見に来てくれました。が、ダメ出しの嵐!
学生時代にも経験のない細やかなご指導。凹むよりも有り難く、奮起しました。
本当に、先生が私の先生でよかった。心からそう思いました。

11月末までのウィークリーマンションの契約を10日間延長しましたが、それでも終わらないと観念。
一旦柏に帰って所用を済ませて二週間後に戻ってくることにして、その間に大工さんに壁に嵌めてもらいました。
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線描などの細かい作業を6日間。ついに12/30に完成!
写ってはいませんが、葉脈や節や輪郭線など、精魂込めて描きました。

最終日には、高校の写真部所属である分林さんご子息に撮影して頂きました。さすが良く撮れてます!
この写真を元に、舞扇を作るということでした。
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こうして2ヶ月半の滞在製作が終わりました。

途方に暮れてメソメソしてみたり、分林さんご夫妻や現場監督さんの優しさにホッコリしたり、津田茂さん設計の建築に惚れ惚れしたり、それを形にする大工さんたちの匠の技に感動したり、畠中先生から珠玉の教えの数々を頂けたり、取材で御所や嵯峨野を訪れたり、懐かしい友人や恩人に会えたり、本当に濃密な日々でした。

何より、京都はやっぱり私の魂の故郷なのだと確信しました。

そうして、舞台披きまで沈黙を守りきったワタクシ。2ヶ月半後へ続きます。

「鏡板② お披露目 2018.3.16」



by acco_gluck | 2018-03-23 15:57 | Painting | Comments(0)

鏡板② お披露目 2018.3.16

舞台びらきの前日、気温23℃の初夏のような京都に入りました。

明日を控えて工事は大詰め、地上で皆さんが必死で作業する中、シンと静まり返った地下の能楽堂。
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落款(らっかん)を入れました。印は朱の岩絵具で手描き。
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そしてついに「真謡会館」舞台びらき当日です。
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なんという素晴らしい建築!! みんなよく頑張ったよ〜!

16日(金)と18日(日)それぞれ2回公演があり、夜はホテルでのパーティーです。
(そのパーティーのスピーチで実は頭一杯)

畠中先生とお手伝い下さったRさんも1回目公演にご招待頂きました。
初日は野村萬斎さん、片山九郎右衛門さんもご出演。オーラが凄かったです。
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分林先生のご挨拶で、まだ工事が終わってない事を知りました(笑)。
着工して2年。万感の思いでこの日を迎えられました分林さんご一家、本当におめでとうございます!

思えば、銀座柳画廊の野呂社長が、東京で分林先生からお能を習っていらっしゃることから、この鏡板のお話を頂いたのは、3年ほど前のことでした。

その時はさらさら請けるつもりがなく、社長をガッカリさせてしまいましたが、何度もお誘いを受け、ネットで分林先生のお顔を拝見した時、どこか懐かしいような、不思議なご縁を感じて、お請けすることにしました。

サンプルの松を描き、他にも候補の画家がいた中で私をお選び下さり、東京で分林先生とお話しした時、建築家の津田さんの設計図を拝見しながら「あらゆる垣根を越えた文化の拠点を、僕たちの世代で作り上げたい」というお言葉を聞いて、ぜひ協力させていただこうと腹を決めました。

ニカク工務店の社長も、建築家の津田さんも、私も、分林ご夫妻と同世代です。
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「僕たちの世代」が見事に作り上げちゃったなーというのを実感できました。
それを本当に嬉しく思います。
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パーティーで、この建築に携わった3人として壇上に上がり、スピーチしました。
初日は緊張して半分飛んでしまいましたが、私が伝えたい事は「和」でした。

日本画とは、岩絵の具と膠を用いた絵画のことですが、その手間と時間の分だけ、重ねた岩絵の具の粒子の間に研ぎ澄まされた精神が込められていく、それが日本の画と言えるのかもしれません。
日本は和とも言いますが、和は、和える・和む・和らぐ・ニギなど、相反する要素を結ぶ原理のことで、それが日本の和の精神なのではないでしょうか。
今回のお建物も、まさに和の姿でした。建築家の設計を形にする、工務店さんと数えきれない職人さん方が各々持てる力を発揮して、それが結集したもの。
私もその一員としてご一緒できたことが本当に嬉しく、それこそが私の宝だと思います。

というようなことをお話ししました。
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先代 片山九郎右衛門さん揮毫の「藝ニあそぶ」

今回関わった全ての方々とは、少なからぬご縁を感じました。
京都には元々深い因縁を感じてきましたが、この度のお仕事は私が今世でやるべき何かがあったのだと思います。

この機会をお与えくださいました、分林道治先生ご夫妻、銀座柳画廊の野呂社長・副社長、分林保弘会長ご夫妻、心より御礼申し上げます。
そして、関わり合った全ての皆様、真にありがとうございました。

これを糧に、日本画家として日々精進を重ねていきたいと思います。

銀座柳画廊で10/26〜11/10まで個展を開催して頂きます。
これから半年、心して制作に励みます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


by acco_gluck | 2018-03-23 15:26 | Painting | Comments(0)