12年目、5日間の共晶点が終わりました。

初日の搬入が終わったところで、その場にいたメンバーで記念撮影!
ここに写っていない作家も含めて、全員の想いのベクトルが松隈さんのこの遺作に集約された、まさにこの写真の通りの、一体化した暖かな展示でした。
今年の2月に松隈さんが亡くなって、数日後にあるメンバーから知らせを受けた時、私はちょうど能舞台の仕事をしていました。
涙を堪えて描きながら、私は何ができるだろうかと考えました。
そうだ!最後に一緒に展示をやろう!
それが私たちにできる弔いであり、最高の餞になる。と思いました。
みんなが松隈さんへ捧ぐ作品を制作して、松隈さんのための展示「共晶点 for M」をやりたいと思うけど、どう思う?と、これまでの全ての作家に声を掛けると、5〜6年ぶりの作家も「松隈さんの為なら」と言って、皆さん続々と賛同してくれました。
松隈さんの奥様にも快諾いただき、夏に市原湖畔美術館に展示されていた遺作を、ぜひ出展して頂きたい!と懇願して、皆さんのご協力を頂いて大掛かりな搬入出や保険などをクリアして、実現した展示でした。
左「宿生(すくせ)の花」30P
2017年に能舞台を手がけるにあたり、生業で植木屋さんをしていた松隈さんに松のことを詳しく教えてもらった思い出から、京都御所の老松を描きました。
右「はなむけ」6F
餞という言葉は、馬の鼻を向けることから出来たようですが、私は花を手向けて「行ってらっしゃい」の気持ちを込めたかったので、ひらがなにしました。
中央「うらら」8F
個展のために描いたものですが、会場の色合いを想像して、華やかに明るくなると思ったのと、松隈さんがこんな麗らかなところへ行けたらいいなあと思って出展しました。
最終日は、おしゃべり鑑賞会とアートラインかしわツアーがあり、500人以上のご来場がありました。

ツアー参加の皆さんに、共晶点と今回の追悼展の説明をしている私。
搬出を前に集まった作家たちの声も聞けて、大変ご好評を頂きました。
来年はまた違う形になるだろうけれど、私たちの道は続きます。
さて、2/29〜3/10銀座柳画廊の個展への猛ダッシュが始まります❗️
画集の編集を逆算するとあと2ヶ月しかないのです💦
あ、YouTubeの銀座柳画廊チャンネルに、南青山の能舞台の動画がアップされました。
制作の様子は1月2月、インタビューは4月だったので、昔のように思えますが、とても好評です。よかったらご覧ください。