今年で4年目、6月の共晶点Re:VIEWも入れると5回目の開催、今回も素晴らしい展示になりました。
お蔭様で5日間で951名ものご来場を頂きました。
力作を制作してくれた作家の皆さん、アートライン柏実行委員会の皆様、ご高覧頂きました皆様、まことにありがとうございました!
私個人としては、6月のRe:VIEWの初日に昏睡になった父が展示最終日に他界し、その後のバタバタを終えて、制作に入れたのは8月から。
春から色んな事があり、未だかつてないほど葛藤と煩悶の日々でした。
それらを乗り越えて、描きたいと思うものを存分に描けたと思います。
「遺言」M15 綿布・膠・岩絵の具・木炭
公園で梅の写生をしていた2月中旬。その日は午前中父の病院で、私だけ先生に呼ばれ、余命が早ければ2〜3ヶ月、長くて半年と宣告された日だった。
平静を装い、スケッチに行って来ると出掛け、涙をこらえながら写生をしていた時、梅の隣りの柏の樹から、ハラリと枯れ葉が目の前に落ちてきた。
柏の葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちない事から、子孫繁栄の象徴とされている。その葉っぱと父が重なって見えて、思わず涙が溢れ出た。
その葉を家に持って帰って、亡くなってから感謝を込めて描いた絵。
「徒花(あだばな)」F4 雲肌麻紙・膠・岩絵の具
痛い女の、(心の)真ん中だけがタイムラグを生じて時空が歪んでいる様。
※徒花=咲いても実を結ばずに散る花。実(じつ)を伴わない物事。
「縹渺(ひょうびょう)」P10 雲肌麻紙・膠・岩絵の具・パステル
※縹渺=広々と果てしないさま。はっきりとは分からないさま。
無性に縹(はなだ)色を描きたかった。藍の色だけど、藍色とは少し違う色。
葛藤と煩悶を経て、まっさらな、シンプルな、漂白された心持ちで、広大無辺な前途だけを見る。凛と。
さっ。全てを出し切ったから、次に進むよっ!
これから、6月の銀座柳画廊の個展に向けて、全力で描いていきます!
がんばります。