一葉記念館でのコラボライヴ、無事終了しました。
ギタリストの高谷秀司さん、VocalのERIKOさん、ありがとうございました。
私の今回のコンセプトとしては、樋口一葉の人となりよりも「作品」について描きたかった。
ものを創る人にとって、作品が総てだと思ったからです。
私が「にごりえ・たけくらべ」を読んで一番印象に残ったことは、「日本人の良心」でした。
本来私たちが持っている、他者を思いやる心。それは大和心と言っていい。
そして、一葉が14ヶ月の間に残した優れた作品全てに敬意を表したかった。
通常、刷毛や手などでただ塗っていく絵の具を、今回は字で塗っていきました。
(じつは書道が得意。習ったことないけど)
大つごもり、たけくらべ、ゆく雲、うつせみ、にごりえ、十三夜、わかれ道。
真っ黒になった画面に、私が作品中で一番感動した一節を白い字で書いた。
「引き出しの分も拝借致し候 石之助」
これは「大つごもり」という作品の最後、主人公のお峯が引き出しの中のお金を止むなく盗んでしまった罪を、黙ってかぶった放蕩息子が書き残したメモ。
言葉というものは残らない。
残るのは、言霊という目に見えない、言葉の中に存する魂と心だ。
「たけくらべ」のラストに、そっと置かれた水仙の花。
一葉のことを歌ったERIKOさんの歌「花火」に合わせて、夜空に花火が浮かび上がる。
出来上がった絵は、時間が足りなくて自分的にはかなり不本意なのですが、その行程にこそ意味があるので、まあ良しとしよう。
↑終了後、ERIKOさんと。
↑一葉記念館の前で高谷さんと。
そして、このあと私は、44MAGNUMのライヴを観に、水戸へと向かう!